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2024.05.13

アカデミック・アドバイザーの橋本紘史先生インタビュー(前半編)



今回は、広報SAスタッフT(法学部3年)がアカデミック・アドバイザーの橋本紘史先生にインタビューした内容を報告します。

前半である今回は、橋本先生の大学時代の学びを中心に報告します。
(橋→橋本先生 T→SAスタッフT)

T:「自己紹介をお願いします。」

橋:「橋本紘史と申します。去年の3月に大学院の博士課程を修了しました。専門は数学ですが、なかなか数学のポストは見つからないので、修了後は大学の研究員や大学の非常勤講師、塾の講師などをしていました。今年からは運よくこのポストが決まって、アカデミック・アドバイザーとして着任しました。」


・大学で学んだこと・専門分野
T:「専門は数学とおっしゃっていましたが、さらに詳しく教えてください。」

橋:「数学の中でも解析学を専門にしています。解析学というのは、微分積分を発展させていく分野ですが、解析学も細かく分かれています。私は、関数の性質や振る舞いなどに興味があります。専門分野を詳しくいうと、ウェーブレット解析や調和解析という分野になります。」

T:「数学を好きになったきっかけや大学で学ぼうと思ったきっかけはありますか。」

橋:「物心ついたときから『数』が好きでした。誰かにやらされているという感じではなく、本当に面白いからやっていたという感じです。趣味ですよね、好きだから学んでいるみたいな。単純に知らないものを知るっていうのが好きだったんじゃないですかね。」

T:「数学は幼い時からずっと好きだったんですね。」

橋:「でも高校では、勉強ではなく部活ばかりやっていましたね。その後、大学に入ったときに、せっかくだったら数学を本気でやってみようかなって思いました。大学数学は受験数学のような制限はないので、制限が解除された状況っていうのは魅力的だったかなと思います。」

T:「専門科目以外にどのような勉強をされていましたか。」

橋:「数学の周りを勉強しておくと数学の学びに深みが出るんです。特に物理学ですね。極端なことを言えば、解析学と物理学って同じようなものなんです。物理学は数学をコアにして肉付けしているんですよ。例えば、運動方程式って数学の言葉に直すと、二階の常微分方程式ですもんね。

後は哲学ですね。昔は数学者と哲学者ってあまり区別がなかったんです。実際、数学の哲学という分野もあります。

数学は何にでも適用できます。数学と関連がしてない学問を探す方が難しいぐらいです。
具体的には、僕の専門であるウェーブレット解析は、1980年代に始まった比較的新しい数学ですが、この分野は学際的な交差点になっていて、工学の人も、もちろん物理学の人もここに参入してきているんですよ。実はJPEG2000や指紋認証のような身近な技術にも使われているんです。」

T:「では、大学で学んでおくべきだったと思う分野はありますか。」

橋:「理系周辺ばかりをやっていると、文系がおろそかになりがちですね。特に歴史はしっかり学んでおけばよかったなと大人になってから思いました。歴史や地理は知っていると、社会やもの見方が変わると思うので。」

(5月27日発行の後半に続きます。)