NICEプログラムには、学修デザインに役立つ各分野の入門書を集めた「NICEライブラリー」があります。
毎月、ライブラリーから選んだ本を中心に「今月のおすすめ」として紹介しています。
12月のおすすめは、『勉強するのは何のため?:僕らの「答え」のつくり方』です。
「勉強するのは何のため?」
誰しも一度は考えたことがある問いではないでしょうか。
この本では、哲学・教育学が専門の著者が、哲学(が積み上げてきた思考のエッセンス)を使って
この問いに答えてくれています。
「専門家が勉強する意味を教えてくれるの?ラッキー!」と考えるのは早計です。
著者は正解を求めすぎる風潮に警鐘を鳴らします。
そして、唯一絶対の正解なんてないとしながらも、多くの人が納得できる「納得解」に
読者を導いていきます。
本書で扱う「勉強するのは何のため?」という問いと同様に、
世の中には絶対的な正解が出せない問題がたくさんあります。
メジャーとマイナーの分野横断的な学びを通して社会における複雑な課題に挑む
NICEプログラムで、学生一人ひとりが取り組む課題も同じではないでしょうか。
絶対的な正解が出せない問題でも、多くの人が納得できる「納得解」を出すという
アプローチはとても参考になるでしょう。
受験勉強と大学での学びの違いに戸惑っている人、
なんとなく自分の思考が縛られていると感じている人におすすめです。(長 創一朗)