NICEライブラリー 2月のおすすめは『メディア論：理論と歴史から〈いま〉が学べる』です！

NICEプログラムには、学修デザインに役立つ各分野の入門書を集めた「NICEライブラリー」があります。 
毎月、ライブラリーから選んだ本を中心に「今月のおすすめ」として紹介しています。 

2月のおすすめは、『メディア論：理論と歴史から〈いま〉が学べる』です。 

メディアに関する研究というと、どこか新しい学問領域のような印象受けるかもしれませんが、「理論と歴史から〈いま〉が
学べる」という副題が示しているように、メディア論は、メディア技術の変遷に伴って精緻な理論化が進められてきた、
歴史のある研究領域です。本書は３部構成を採ることで、メディア論をたて（時間的）・よこ（分野横断的）にひろがるものと
して提示しています。 

第１部「理論編」では、デジタル技術の急速な発展に一致して展開される、メディア研究の最新動向に触れることができます。
第２部「系譜編」では、現在までのメディア研究の歩みが簡潔にまとめられています。マス・メディアが社会に与える影響に
ついて、各学派・理論の立場の違いを理解するのに役立ちます。
第３部「歴史編」は、メディア技術をベースとした18のキーワードのもとで、さまざまな事例がひも解かれていきます。 

本書は、入門書と呼ぶには学問的に洗練の度合いが高すぎるような気がします。しかし、アカデミックコミュニティに
閉じこもろうとするものでは決してなく、あくまでも平易なことばで「研究するとはこういうことだ」という実感と指針を
与えてくれる良書です。メディア論に初めて触れる人には、入門講義や概説の科目履修と並行して読み進めてみるか、
第２部「系譜編」から読み始めることをおすすめします。 

　　　

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