NICEプログラムには、学修デザインに役立つ各分野の入門書を集めた「NICEライブラリー」があります。
毎月、ライブラリーから選んだ本を中心に「今月のおすすめ」として紹介しています。
1月のおすすめは『政治学の第一歩〔新版〕』です。
「政治」という言葉そのものは日常生活にあふれていますが、政治がわたしたちの生活のかなりの部分を
規定していることをそれほど意識してはいません。そのため、「政治学」という学問分野に対して近接感を
持っていない、というのが正直なところではないでしょうか。
『政治学の第一歩』は、国家や政治体制、選挙、政党、執政・立法・司法といった政治学の基本概念を整理する
だけでなく、国際政治における安全保障問題や自由貿易まで網羅し、わたしたちが生きている「いま」の状況を、
幅広く秩序立てて提示してくれます。なによりも力強いのは、ゲーム理論のモデルを用いることで、政治の世界に
「個人」(「大衆」や「国民の皆様」ではなく)が見えてくることです。
本書の冒頭にある「新版にあたって」には、次のような一節があります。
「困難に直面したときの私たちの選択が、主に経済的な尺度に依存し単に立ち去る(Exit)だけでなく、
合意を調達してそれを変えようとする(Voice)選択にも開かれていることをあらためて強調したい。」
コロナ禍で規制される個人の自由について。
世界的に広がりを見せる環境活動について。
自分が一票を投じた(投じなかった)選挙について。
『政治学の第一歩』は、「自分ごと」として見える範囲をぐっと広げてくれる一冊です。
手に取ってみたいと思いましたら、お気軽にNICEプログラム スタッフ・オフィスまでお越しください!