NICEプログラムには、学修デザインに役立つ各分野の入門書を集めた「NICEライブラリー」があります。
毎月、ライブラリーから選んだ本を中心に「今月のおすすめ」として紹介しています。
7月のおすすめは
『地理学基礎シリーズ 1:地理学概論〔第2版〕』です。
中学校の社会科で必ず教わる地理ですが、高校では選択者がかなり減ってしまいます。
「大学受験で使えない」ことも一因かと思います。
そんな不遇が続いた地理ですが、なんと2022年度から「地理総合」が高校の必修科目となりました!
なぜ今になって地理は復活したのか?それは地理学がもつ射程の広さが関係しています。
地理学は、地球上に存在する私たちの生活を自然との関わりから捉えるとともに、
それらの時間的集積によって構造化される社会についても捉える視点を提供する学問です。
地理学が扱うテーマは気候や農業・工業・商業、交通だけではありません。
観光、空間認識、まちづくり、社会福祉、格差、移民・難民といったテーマにも取り組むことができます。
さらに、近年GIS(地理情報システム)が脚光を浴びるようになってきましたが、
これも地理学の得意分野となっています。
すでに勘のよい方は気づいたかもしれませんね。
そう、地理学は社会学並みに守備範囲が広いだけでなく、文理にまたがる親しみやすい学問なのです!
今回紹介する本は、そんな地理学の全体像を具体的にわかりやすく解説した教科書となっています。
ぜひ一度読んでみてください。あなたのマイナーをおもしろくするヒントが見つかるはずです。
(柿原 豪)