ボンジュール,フランス! Invitation au français vivant
さあ、つらい受験勉強からようやく解放されて、大学生になったきみ。 フランス語を自由に思いっきり勉強できるというのは大学生だけの特権ですよ。 フランス語の美しい響きと明晰さにじかに触れて、パリの街の喧噪と華麗さの中から生まれた詩をひもとくのも、 セザンヌやゴッホが生きた南仏の夏の木陰に思いを馳せるのも、これからはきみの思うがまま。
それだけではない。EUが統合・拡大し、新しいヨーロッパ再編を代表する柱として、ますます活気づくフランス。 経済・政治・技術・文化・芸術・スポーツなどさまざまなレベルで、フランスと日本との対話と交流の意義はより一層おおきくなってきている。 さらに、意外に知られていないがカナダをはじめ、中近東やアフリカ、東欧諸国でも、公用語にフランス語を用いている国は数多く、全世界で約3億人に通用している。 フランス語の扉をたたくことは、現代世界へ向けて発信するためのいわばかけがえのないベースともなるのだ! 長い歴史の重みが醸し出した重厚さと、どきっとさせるような華やかな革新性、そして文化の多元=混在性が、不思議にひとつに同居した言葉、フランス語。 いまこそ、みんなと一緒に学んでいこう!
コミュニケーションの重視――生きて話せるフランス語へ
未知の外国語を学ぶのは、期待と不安がつきもの。 でも、中学・高校とアルファベットはどうも苦手で……という人も、ここではすっきりと頭を切り替えよう。 大学のフランス語が行われるのは、ネイティヴの教師も参加する、少人数タイプのクラス。 双方向型の「話す」「聴く」といった能力を伸ばすには、オープンな風通しのよいこんなクラスが理想的だろう。 文法ももちろん大事だけれど、やっぱりちゃんときれいな発音で話せるようになりたい、そんなきみにもきちんと応えるクラスになっている。
フランス語は音が大切。たとえば、英語で「ミスター」にあたるフランス語は「ムッシュー」だけど(このくらいは聞いたことあるよね)、 この単語の綴りは Monsieur 。けっして「モンシウァー」とは読まない。 だから、耳から発音を学ぶことは、フランス語ではことのほか大切なのです。「意味や文法規則はわかるけど、話せない、聞き取れない」なんていうことがないようにしたいです。
フランス語ってむずかしい?――長い伝統がつくりだした明晰さと論理
英語にくらべると、フランス語はいっけん面倒くさそう? 単語も新しく覚えなければならないし。でも安心してほしい。語彙には英語と重複するものが多いし(というより、フランス語から派生した単語が英語に入っているのだ)、 動詞変化や男性・女性の区別などは他のヨーロッパの言語に比べればまだ少ない。 なによりも大切なのは、はやくから先人たちが美しいことばの魅力を自覚的に追求したことや、長く近代ヨーロッパの政治・外交の中心にあったこと、 そしてまたフランス語の教育と普及のために払った多くの努力の実績から、フランス語文法の規範性と洗練性はきわめて高い水準にまで達しているということだ。 現在でもフランス語が国連、EU、ユネスコでも公用語のひとつとして使用され、国際語としての世界に占める地位が重要なのも、 ひとつにはここに理由がある。おそれずに、おもいきりよくフランス語にチャレンジしてほしい。
一年でどのくらいフランス語を勉強するの?
初めて学ぶ英語以外の外国語だから、まずは言葉の構造をおおまかにとらえて、文法の基礎をつくることがひとつ。 次に、耳と口を慣らして発音を正確におこない、簡単な日常会話を話せたり、短い文を読めるようになることがもうひとつの目標。 それでも、1年次の中頃にはフランス語検定5級、終わりには4級を受験してちゃんと合格する先輩たちがたくさんいる。 語学の学習はきちんとクラスで先生のいうとおりにやっていれば、かならず成果に結びつく。一年後のきみたちを見るのが今から楽しみだ。 きみたちも前の自分を振り返って、いつのまにかまったく知らなかった言葉の意味や表現がわかるのに気づき、あらためて驚くことだろう。
実地で生きた本場のフランス語を!――語学研修、短期留学もできる
毎年夏になるとフランスへの語学研修旅行に参加する先輩がたくさんいる。 フランスには、長期休暇になると大勢の外国人を語学研修に参加させるほど、魅力あるプログラムや優れた教師を提供できる学校が多いのだ。 また、学部によってはフランスの大学と学生交流協定を結んでいるので、 フランス語を選ぶと将来、協定大学への留学の機会も開けるかも! 在学中にぜひ一度は語学研修旅行に参加しよう。