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データサイエンスを通じて自然の本質や社会の課題に迫る② ★学生ライター執筆記事

2024.03.27

 前回の記事では、データサイエンス教育とインターンシップでの活動を組み合わせて自然の本質に迫る学習・研究の事例を取り上げました。

 続いて取材した、データサイエンスを学ぶもう1人の学生の事例を紹介します。「データサイエンスリテラシー」を履修した法学部2年のAさんです。

 法学部と聞くと、データサイエンスとはあまり関わりがなさそうですが、Aさんは2年生で地元の市役所のインターンシップに参加した経験から、行政のシステムの運用などは事務職員でもデータサイエンスの基礎知識が必要だと感じたそうです。またその後、データサイエンス・ベーシックプログラムの科目であるデータサイエンス総論を受講し、ビッグデータを使った医療システムなど世の中で使われている実例を学んでその面白さを実感したことから、データサイエンスリテラシーの履修を決めました。


図:行政サービスにおけるDX化の例

 特にデータサイエンスリテラシーで学ぶ内容は、プログラミング等だけでなく、情報セキュリティの知識なども含めて実社会で活きる知識が学べるため、早いうちに学んでおいたほうがいいというのが履修してみたAさんの実感です。更にプログラミング言語の一つであるPythonなども、基礎的な部分ならそれほど困難なく学べたそうで、「文系にはプログラミングなんてできない」という先入観がなくなったと話していました。

 またAさん自身、最初は専攻である法学とデータサイエンスとの関わりまでは意識していなかったものの、いま話題の生成AIと法律との関係など、今後は関係することも増えそうと感じているそうです。

 1本目の記事で紹介した理学部・Mさんに続き、このAさんのお話からも、社会の課題とデータサイエンスを学ぶこととの関わり、またそれが専門分野や将来のキャリアとも繋がってくることが感じられました。

 ここまで、2名の学生のデータサイエンスにかかわる学習+インターンシップ体験等の例を紹介してきました。
 最初の記事にも書いた通り、データサイエンスでできることは、様々なデータを活用した問題解決や物事の本質の理解です。そして、たとえ同じデータを扱っていたとしても、それを扱う「人」がもつスキルや視野によって、得られる知見や問題解決の方法が異なってくるというのはよくあることです。

 データを扱う力ももちろん大切ですが、そのデータをどのように解釈し、どのように活用するかに重点を置くのがデータサイエンスであり、自分がやりたい/学びたい分野でそのデータサイエンスの方法が使えると新たな知見が生まれる可能性があるというところに、データサイエンスを学ぶ意義があると思います。

 そのデータを扱う力や、より適切な知見を引き出す力は、紹介したデータサイエンス・インターンシップなどの実践的な経験を積むことで養われ、データサイエンスがどう現実世界の問題解決/本質理解に貢献するかを理解できるといえるかもしれません。

 また最初に紹介した学生・Mさんのように、自分の専門分野で突き詰めたい(解決したい)課題がはっきりしている人は、そのための有意義な手段としてデータサイエンスを学ぶモチベーションが高まるのではないでしょうか。

 以上のように、新潟大学では、データサイエンスを学ぶ様々な科目の開設とともに、今後より多くの企業や研究機関と協力して、データサイエンスを通じて自然の本質や社会の課題に迫る学習・経験の機会を充実させていくことを目指しています。

 少しでも興味を持った方は、ぜひ下記のサイトなどで詳細をご覧ください。

■新潟大学ビッグデータアクティベーション研究センター「数理・データサイエンス・AI教育プログラム」  


【本件に関するお問い合せ先】
学務部教務課連携教育支援事務室
Email renkeikyoiku(at)adm.niigata-u.ac.jp
※(at)を@に置き換えてください