活動紹介

企業等

データサイエンスを通じて自然の本質や社会の課題に迫る① ★学生ライター執筆記事

2024.03.26

 データサイエンスとは、統計学や情報学、プログラミング等の手法を組み合わせて、様々なデータから問題解決に必要な知見を引き出す手法です。

  新潟大学では全学部でデータサイエンスの入門科目が必修化されており、さらにデータの扱い方からデータサイエンスと現代社会とのかかわりを学ぶ「データサイエンス・ベーシックプログラム」、統計や数学などデータサイエンスの根幹となる部分を学び、研究やプロジェクトに応用していく「データサイエンスリテラシー」に加え、企業で実施する6週間のデータサイエンス・インターンシップをはじめ、より実践的な内容の習得や応用を目指す「データサイエンス」の3つのプログラムが存在します(2023年度時点)。データサイエンスを本格的に学ぶ学生から、基礎知識を重点的に学習して今後のキャリアに役立てていく学生までが取り組める教育プログラムとなっています。

 インターネットの普及や高度情報化社会の進展によって、私たちは多くのデータを取得し、利用することが可能になりました。このデータを効率的に活用することによって、新たな知識や洞察を得たり、社会の問題解決に貢献することが期待されます。実際、データサイエンスは理工学の研究分野のみならず、法律や金融、災害対策など社会における様々な分野の発展に大きく役立っています。

 実際に本学でデータサイエンスを学ぶ学生に、専門分野とのかかわりや将来どのようなことに活かしていこうと考えているのかを取材しました。

 1人目は、データサイエンス・インターンシップを履修した理学部4年のMさんです。

 Mさんは地質学を学び、マントルで起きている現象を解明するための岩石の化学組成の分析といった研究やフィールド調査に取り組んでいます。その過程でデータサイエンスがその手法に有効であることを学ぶとともに、後にインターンシップの受入先となる海洋研究開発機構の方がそうした研究をされていたことから、インターンシップに参加しました。

 Mさんはもともと自分でゲームを作るほどプログラミングが好きで、データサイエンス・インターンシップは、そうしたスキルと地質学の研究領域を掛け合わせて新たな成果を生んでいくための貴重な経験の機会となっていました。今後は大学院に進学して研究を続けていくそうです。








図:Mさんの発表資料から抜粋


 Mさんの指導教員である理学部の高澤教授は、今後の研究者はこれまで活かしきることができなかった膨大なデータを用いて研究するようになることで、従来の研究からのブレークスルーを起こす可能性があると語ります。地質学の分野には膨大なモノとそのデータが存在し、その取扱いには主観が混じることもあるそうですが、データサイエンスの手法を用いることで、今までにないアプローチで地球科学のデータに向き合い、よりその本質に迫ることができるかもしれません。また共通のデータベースなど、学部生でもデータの一端に触れられる機会があれば、それに興味を持ってデータサイエンスのスキルを伸ばそうと思う学生も増えるのではないかという意見もありました。

 このように、本学のデータサイエンス教育とインターンシップでの活動を組み合わせることで、実践的なスキルを身につけることが可能になるだけでなく、データサイエンスを用いて明らかにしたい自然の本質や解決すべき社会/企業の課題により深くふれることができます。

 (次の記事に続く)


【本件に関するお問い合せ先】
学務部教務課連携教育支援事務室
Email renkeikyoiku(at)adm.niigata-u.ac.jp
※(at)を@に置き換えてください