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【授業紹介】学生と企業・自治体でつくる東区オープンファクトリー!① ★学生ライター執筆記事

2023.12.13

 10月27日・28日の2日間にわたって新潟市東区で開催された「東区オープンファクトリー」というイベントで、新潟大学の学生がスタッフとして活躍しました!

 東区オープンファクトリーとは、製造業が多く集積する「産業のまち」東区で、ものづくりの魅力を発信するために今年初めて企画・開催されたイベントです。東区にある企業が連携し、普段は見ることができない工場を一般公開したり、各企業の工夫を凝らしたものづくり体験に参加できたりなど、様々な企画が行われました。

 この東区オープンファクトリーには新潟大学生が企画・運営に携わっており、参加した企業のうち6社の企画実施の提案・準備・運営サポートなどを行いました。参加したのは、経済科学部の「課題演習B」「社会開放演習B」、また全学部から受講できる「現場訪問とデータから読み解く新潟の今―新潟地域産業の可能性を探る―」の受講学生23名です。

 この記事では、参加した学生たちがどのような企画を提案し、準備してきたのか?そして当日、実際に企画を行ってみて何を感じたのか?インタビューした内容をご紹介します。





  最初は、(有)阿部仏壇製作所さんの企画をご紹介します。

 阿部仏壇製作所さんは、仏壇からベビー用品まで木材を使って製作する、創業74年を誇る木工の企業です。ここでは、3種類の中から好きな形のボードを選び、自由にデコレーションしてお知らせボードを作る「ハザイで作ろう!! お知らせボードづくり」という体験が行われていました。



 この企画を提案した学生によると、企画を提案した当初は、他にもいくつか提案を行っていたそうです。その中で、予算・時間・技術など多くの面を考慮しながら打合せ・試作を行った結果、今回の企画が誕生しました。

 決定に至るその過程では、多くの気づきがあったそうです。その一つは提供することの大変さです。オープンファクトリーの来場者に楽しんでもらいたいという来場者の立場と企業側の立場、二つの視点に立って企画を考えることがとても難しかったと語ってくれました。「準備の簡単さ」や「低コスト」ばかりを重視していては、来場者の方々に楽しんでもらえないかもしれない。かといって、現実的でない企画は実現が難しい。両者の視点に立ち、Win-Winの形で企画を成功させるにはどうしたらよいのか、悩み、思案したことで、企画やサービスを提供することの大変さを実感したと話してくれました。

 迎えたオープンファクトリー当日は、最初は緊張していた子供たちが、次第にいきいきと楽しそうにお知らせボードを作っている様子や、ものづくり体験が家族のコミュニケーションに繋がったことを実感し、とても嬉しく、やりがいや達成感を感じたそうです。


 続いて、(株)小野組さんの企画を紹介します。

 創業135年の伝統と技術を誇る建設会社の小野組さんでは、「OLD&NEW!ONO-GUMI」というテーマのもと、写真やドローン映像の展示、重機のシミュレーター体験やフルハーネスの着用体験などが行われていました。




 小野組さんの企画をサポートした学生に話を聞くと、準備段階では、座談会で社員の方々のお話を聞いたり、現場見学を行ったりと、普段なかなかできない貴重な経験をしたと興奮気味に話してくれました。オープンファクトリー当日に至るまでは、企画目標のすり合わせや学生目線の意見を大切にした企画提案を行ってきたそうです。当日の来場者からは「普段できない体験ができて良かった」「重機を操作する体験がおもしろかった」などの声が聞けました。
 
 一方、東区の産業に興味を持ってもらうという目標に対して、来場者の多くが大人や小さい子どもであったことから、来年以降は高校生や大学生の来場者にハマる企画を行うにはどうしたらよいか?という課題も見つけていました。

 終わった後の振り返りでは、「東区という地域を盛り上げる、若い世代に東区の産業に興味をもってもらうには、各企業がそれぞれ努力するだけでなく、行政や大学と連携することで達成できることもある」といった気づきもあったようです。


 最後に、(有)吉川鉄工所さんの企画を紹介します。

 金型、樹脂、旋盤加工を行う吉川鉄工所さんでは、職人さんとマンツーマンで行う溶接体験でペン立てを作る企画や、金属でキーホルダーを作る企画など、普段できない体験が行われていました。



 当日ブースを訪れると、雨天にもかかわらず、多くの来場者の方であふれていました。サポートした学生によると、企画段階では多くのアイディアを出し、それらを実際にやってみて実現可能性を確かめたそうです。

 当日の運営を終えた学生からは、「(企業の方が)ワークショップでは金属の面白さや楽しさを伝え、来場者に喜んでもらうことを大切にしており、利益を求めることだけが企業の仕事ではないことを実感した」「オープンファクトリーには企業のほかに東区役所の職員の方も関わっていたが、お互いに協力しながら準備や運営を行っているのを感じた。区役所の職員としての仕事にはこのような仕事もあるのだと知れた」という感想が綴られており、学生たちは達成感や喜びだけでなく、これからのキャリアに繋がる学びも得ていることが分かります。

 ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

 次の記事では、企業の方や東区役所の方の声をご紹介していますので、ぜひご覧ください。

【授業紹介】学生と企業・自治体でつくる東区オープンファクトリー!② ★学生ライター執筆記事

【本記事で紹介した企業】
阿部仏壇製作所
小野組 
吉川鉄工所
新潟市東区オープンファクトリー


【本件に関するお問い合せ先】
学務部教務課連携教育支援事務室
Email renkeikyoiku(at)adm.niigata-u.ac.jp
※(at)を@に置き換えてください