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おすすめ図書 



* 新潟大学附属図書館にあります! 
https://www.lib.niigata-u.ac.jp/



中村良夫 『大学で英語を教える父が高校生の娘に贈る プレミアムな英文法・熟語』 2020年

 英語をもう一度丁寧に勉強し直したい学生にお勧めの一冊です。英文法に関する詳細な知識の定着はもちろん、 ネイティブの直観が随所に鏤められた内容となっているため、日常の英会話などの「使える英語」の習得も期待できます。 大学生の間に、この一冊を(時間をかけて丁寧に)3回繰り返して読むと相当の英語力が身につくと思います。

(北田伸一 先生)



Raina Telgemeier, Guts, New York: Graphix, 2019

 高校時代は言うまでもなく、大学生になっても、英語教育のために書かれた英語を読む機会が多くなりがちですが、 次のステップとして、ネイティヴ・スピーカーが読んでいる文章に接することをおすすめしたいと思います。 とはいえ、いきなり英語の小説や論文を読むのは敷居が高く感じる人が多いかもしれません。 そういう場合は、比較的平易な言葉で書かれた、子ども向けの絵本や児童書を手に取ってみると良いでしょう。 子ども向けと侮るなかれ。大学生でも楽しめる内容のものがたくさんあります。 そのうちのひとつが、レイナ・テルゲマイヤーによるグラフィック・ノベル(ストーリー性を重視した書籍形式のコミックで、 日本の漫画に相当)です。自身の子ども時代の経験を下敷きに書かれたテルゲマイヤーの作品は、 アメリカの小学校高学年を中心とする若い読者たちのあいだで熱狂的に支持されており、一種の社会現象にまでなっています。 これまであまり語られることのなかった小学生ならでは人間関係の難しさや心の悩みに光を当てたテルゲマイヤーの物語は、 同年代の読者だけでなく、その時期を通過した大人にも訴えかけるものがあります。

(甲斐義明 先生)



The Tale of Peter Rabbit(Beatrix Potter(著))とその他のお話

 The Tale of Peter Rabbitと、これに続いて出版された他の22冊が、私がおすすめする本です。 The Tale of Peter Rabbitが最初に出版されてから100年以上がたちますが、 今でも多くの人を魅了し続けているこれらのお話の魅力は、ストーリーと挿絵のすばらしさは言うまでもなく、 ストーリーを通して、英国の自然や当時の英国人の生活が垣間見られる点にもあると言えるでしょう。 みなさんもぜひ、The Tale of Samuel Whiskers or The Roly-Poly Puddingを読み、 roly-poly puddingとは何か考えてみてください。

(山田陽子 先生)



黒田龍之助 『ぼくたちの英語』 三修社 2009 年

 「言語好き」の人に勧める一冊。
「役に立つから」「しなければならないから」「みんながやるから」英語を学ぶのではない。 世界の諸言語の中の1つとしての英語を、様々な側面から楽しく学ぶ。語学のプロによる英語の楽しみ方。
ロシア語を含むスラブ諸語が専門の黒田先生と、英語教師になった2人の教え子の話。 同じく黒田先生の『外国語の水曜日 学習法としての言語学入門』もオススメです。

(江畑冬生 先生)



Laurie Bauer & Peter Trudgill (eds.) Language Myths. Penguin Books, 1998.

 言語に関して世間一般に言われていることには、学術的な根拠や裏付けのない「神話」も数多くある。 本書には、21 編「神話」が収められている。1つ1つが短く完結しているので、 どこからでも興味を持った所から読めるのも良い。以下にタイトルの中から特に5つを紹介しよう:
Myth 4: French is a Logical Language
Myth 6: Women Talk Too Much
Myth 10: Some Languages Have No Grammar
Myth 11: Italian is Beautiful, German is Ugly
Myth 16: You shouldn't Say 'It is Me' because 'Me' is Accusative

(江畑冬生 先生)



デビッド・バーカー 『英語と仲直りできる本: ネイティブ講師が教える英語上手の秘訣』 アルク 2003年

 英語を学習してきた皆さんの中には、英語と日本語の違いのようなものを感じていても、何となくそのままになっている人は少なくないのではないでしょうか(例えば、日本語の文章を英訳してみたらおかしな英語だといわれたが、その理由が分からない、という経験はありませんか?)。 本書は、ネイティブ・スピーカーである筆者が、26歳になって初めて日本語を勉強し、皆さんとは逆(英語⇒日本語)の苦労をした経験や、多くの日本人に英語を教えた経験を活かし、日本人が間違いやすい・混乱しやすいポイントを分かりやすく解説しています。英語を一からやり直すつもりの人も、上級者の人も、参考になる点があると思います。

(五島譲司 先生)



English Journal (月刊誌)アルク

 英語(語学)の学習では、一般に、「読む」、「聞く」、「書く」、「話す」、の4つの技能をバランスよく伸ばしていくことが重要といわれますが、本書は、これらのうち、とりわけ、「読む」力と「聞く」力を付けるのに格好の素材を提供しています。  内容は、様々な分野の著名人が登場するインタビューや、ニュース、TOEIC対策など、幅広いので、自分の興味の持てる記事(英文)を選んで読み、考えることで、英語「を」読むのではなく、英語「で」読む習慣を付けるのによいでしょう。また、主な記事の音声(ナチュラル・スピード)はCDに収録されていますので、音声を聞きながら記事を読むことで、リスニングの練習になるだけでなく、読む速度も上がってくると思います。

(五島譲司 先生)



Sir Arthur Conan Doyle (富山太佳夫編注) The Adventures of Sherlock Holmes 英光社

 シャーロック・ホームズ・シリーズを原文で読んでみたいと思っている人は多いと思いますが、このテキストからはじめるのがよいと思います。テキストに収められているのは、作者ドイルも気に入っていたと言われるThe Adventure of the Speckled Band(まだらの紐)とThe Red-Headed League(赤髪連盟)です。ストーリーはどちらもおもしろく、最後に驚くような結末が用意されています。決して文学的な作品ではありませんので、理系の人にも読みやすいと思います。このテキストの最大の長所は、編集者の富山太佳夫先生の注釈が、詳細かつ味わい深いという点です。語学的な注釈は非常に丁寧でやさしいものになっているので、ちょっと英語に自信がある人なら、それほど辞書を引かなくても読み進んでいけると思います。作品や時代背景に関するコメントも随所に盛り込まれていて、それらはどれも大変鋭く、異文化理解を助けるものになっています。19世紀末ロンドンの流行や、マニアによるホームズ作品の信じがたい解釈なども紹介してくれます。いろいろな意味で大変楽しい英語教材になっていますので、ぜひ収録されている2編を、注釈も楽しみながら読破してみてください。

(辻照彦 先生)



白井恭弘著 『外国語学習の科学 - 第二言語習得論とは何か』 岩波新書 2008年

 英語や初修外国語って、どうやったら効果的に身につくんだろう?と思っているみなさんにお薦めの本です。大人の外国語習得については、現在、言語学・教育学・心理学・社会学・文化人類学・脳科学にわたる学際的な研究が進められており、まだ解明されていないことも多いのですが、どのような学習法がより効果的であるか、ある程度はわかるようになってきています。本書では、外国語習得における母語の役割、「臨界期」の問題、適性と動機づけの要因、習得のメカニズム、教授法と学習法などについて、これまでの研究成果に基づいてわかりやすく解説されています。

(ハドリー浩美 先生)



大西泰斗、ポール・マクベイ著 『ハートで感じる英文法』 NHK出版 2005年

大西泰斗、ポール・マクベイ著 『ハートで感じる英文法 会話編』 NHK出版 2006年

 これからの社会では、さまざまな言語や文化的背景を持つ人々とコミュニケーションを図るために、「正しく理解できて伝わる」英語力が必要となります。その土台が基礎的な文法です。超ロングセラーの江川泰一郎著 『英文法解説―改訂三版―』等の文法書でひととおり学習したら、次は本書を読んでみてください。英語ってこんな感覚で話されているんだ、ということがわかります。逆に、文法に苦手意識を持っている人は、本書をまず読んでみるのもおもしろいかもしれません。

(ハドリー浩美 先生)



Frederick Buechner Listening to Your Life HarperSanFrancisco 1992年

 フレデリック・ビークナーは、'too religious for secular readers and too secular for religious readers' と自評する米国の作家ですが、1981年にはピューリッツァー賞にノミネートされています。あたりまえの日常生活を作家の目で捉え直して、読者に新鮮な驚きを与えてくれます。"Listen to your life. See it for the fathomless mystery that it is. In the boredom and pain of it no less than in the excitement and gladness: touch, taste, smell your way to the holy and hidden heart of it because in the last analysis all moments are key moments, and life itself is grace."

(ハドリー浩美 先生)



大津由紀雄 『英文法の疑問 恥ずかしくてずっと聞けなかったこと』 生活人新書 NHK出版 2004年

 学生の皆さんは、中学校・高校での英語学習の中で、「文法」の学習にかなりの時間・エネルギーを使ってきたと思います。中学校の時ならまだしも、高校での英語ともなると、「仮定法過去」だとか「分詞構文」などのさまざまな用語に接しながら、文の組み立て方、意味の取り方を学んできたことと思います。そのような「英文法」に対して、皆さんはどのような思いを持っているでしょうか。「大学入試のために仕方なく勉強した」、「文法をやっても話せないから、文法なんか役に立たない」、「コミュニケーションをするのに、文法の勉強なんかいらない」、「覚えるのが苦痛だ」などといった思いを持っている人が多いのではないでしょうか。
 本書はそのような思いを少しでも持ったことがある人に読んでもらいたいと思う一冊です。著者の大津由紀雄先生は、国際的に活躍されている、日本を代表する言語学者の一人です。主に言語習得の研究をやっていらっしゃいますが、英語教育にも力を入れている先生です。この本は、英文法の隅々まで細かく解説しているわけではありませんが、法助動詞やto不定詞・動名詞などといった英文法の主要な項目について、まさにツボを押さえた解説をしてくれます。出てくる例文は、すべて実際のコミュニケーションの場面としてありそうなものばかりですし、必要に応じて日本語との比較をすることによって、英語の意味を「実感」できるようにもなっています。
 上のような感想をもった人たちばかりでなく、英語がかなりできる人や英語を専門的に勉強している人にもお薦めです。私も読んでいて「ああ、なるほど、そうか」と思うことがしばしばありました。

(本間伸輔 先生)



大津由紀雄 『英語学習7つの誤解』 生活人新書 NHK出版 2007年

 「英語学習は早く始めるほどよい」、「留学すれば英語は確実に身に付く」、「英語はネイティブから習うのが効果的である」などといったことがよく言われます。こういったことを信じて、まだ日本語もおぼつかない子どもを英語教室に通わせる親は多いですし、「ネイティブの英語」を身につけようと、英語圏に留学しネイティブスピーカーから英語を習う人も多くいます。しかし、果たしてこのように世間で広く信じられていることにはどれだけの根拠があるのでしょうか。
 著者の大津由紀雄先生は、上の『英文法の疑問』を書いた先生ですが、この本では上の3つを含めた7つの誤解を取り上げ、専門の言語習得・認知科学の立場から、それらが「誤解」であることを、説得的に論じています。そして、英語をきちんと身に付けるためには本当は何が大事なのかを、英語の達人たちの話も交えながら示してくれています。
 これから英語を本格的に勉強しようと思っている人、英語力を伸ばすために英語圏への留学を考えている人、英語教員を目指している人たちにぜひ読んでほしい一冊です。

(本間伸輔 先生)



Mark Hancock & Sylvie Donna English Pronunciation in Use
Intermediate Book with Answers, Audio CDs and CD-ROM
Cambridge University Press 2007年

 英語の発音、ストレス、イントネーションなどをカバーする中級者向け総合発音教材です。付属のCDを用いて受信型と発信型の演習問題を行うことにより学習者のリスニング能力とスピーキング能力が向上するように構成されています。イギリス英語の音声が中心の比較的高価な教材(約7,500円)ですが、発音学習のツボを押さえた最新の発音教材です。

(大竹芳夫 先生)



久野暲・高見健一 『謎解きの英文法 冠詞と名詞』 くろしお出版 2004年

 I want a dog.(私は犬がほしいです)とは言いますが、I like a dog.(私は犬が好きです)とは言わずI like dogs.と言うネイティヴスピーカーの感覚を、面白く、深く学ぶことができる英文法書です。ハーバード大学名誉教授久野暲先生、学習院大学教授高見健一先生の共著による『謎解きの英文法』シリーズには他に「単数か複数か」、「文の意味」があります。

(大竹芳夫 先生)



Diana Wynne Jones Howl’s Moving Castle A Greenwillow Book  2001年

 ある作品との出会いはテレビや映画を通して、というのは良く聞く話です。一昔前の女の子なら『若草物語』(Louisa May Alcott, Little Women)、男の子なら『トム・ソーヤの冒険』(Mark Twain, The Adventures of Tom Sawyer)といったところでしょうが、今の学生さんにはいずれも馴染みがない作品かもしれません。私の妹などNHKで放映していた『大草原の小さな家』(Laura Ingalls Wilder, Little House on the Prairie)に夢中で、私もお付き合いで時折見ていましたが、後にたまたま原作を原書で読んだとき、テレビでは感じられなかったPa(とうさん)の純朴さが非常に印象的で、テレビと原作とではこんなにも違うのか、と驚いたものでした。まあこれとてもうかなり昔の話ですが…。
そこで今の学生さんにお薦めしたいのが、言わずとしれた宮崎駿のアニメ映画『ハウルの動く城』(2004)の原作にあたるこの作品です。読んでいくうちにアニメとの違いに驚いたり、アニメを見ただけでは謎だった部分が明らかになり、またアニメも見直したくなる、ということ請け合いです。別に分からない箇所があっても誰からも叱られるわけではありませんから気にせずどんどん読んでいって下さい。英語の勉強には「難行・苦行」も時には必要ですが、「楽しみ」もないと長続きしませんからね。

(岡村仁一 先生)



V. S. Naipaul Miguel Street 1959年

 2001年ノーベル文学賞受賞のナイポール(1932-)による事実上の処女作といわれる短編集。作者はトリニダードにてインド系の両親のもとに生まれ、英国オックスフォードで学位を取得し、その後はフリーランスのライターとして活動する傍らBBCのキャスターやNew Statesmanの編集にも携わった。本書の語り手はナイポール自身が投影された少年である。舞台は第2次世界大戦中のトリニダードの下町の一角ミゲル・ストリート。少年が自分で貯金して海外に留学するまでミゲル・ストリートで遭遇した「不思議でおかしく、そしてどこか悲しい面々」を独特のタッチで描写する。ただひたすらに名無しの家具ばかり作っている大工のPopo、4セントで得体のしれない詩を売りこむWordsworthなどなど…。インドと英国の文化の間で揺れ動くナイポール自身のアイデンティティーの機微がまるでミゲル・ストリートに起因するかのようだ。原作の英語も読みやすく、肩が凝らない。台詞で頻出しているカリブ海英語も軽妙で面白く、何時も接している所謂「標準」にはない独特のリズムが頭に浮かんでくるだろうか。翻訳(小沢自然・小野正嗣訳『ミゲル・ストリート』岩波書店)も出版されているが、上のような理由により、原作で挑戦してみることをお勧めする。

(加藤茂夫 先生)